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東洋医学

東洋医学から見た「うつ」1

東洋医学では、肝−怒、心−喜、脾−思、肺−憂、腎−恐というように、各蔵(東洋医学でいう蔵は、実際にある内蔵とは異なります。身体の機能を分類したものと考えてください)に感情を割り当てて考えます。

どれかの蔵に変調が起こると、該当する感情に異常が起き過剰は感情反応が起きることがあります。

たとえば、肺が弱くなると憂という感情が強くなります。憂とは名前の通り、「うれえる」ことです。この肺が弱くなる場合には、肺自体に問題がある場合ももちろんありますが、その肺が克される関係にある心の力が強くなりすぎたために、肺の力が弱まってしまった場合もあります。このときは、のぼせる、赤ら顔になる、動悸がする、風邪を引きやすい、気道閉塞感などの症状も呈することがあります。そのような症状とともに、「うれえる」という過剰か感情が強くなるのです。

治療は、手少陰心経の通里(手関節の尺側掌面にある神門から近位に1寸、前腕を1尺2寸とする)或いは、手厥陰心包経の内関(手関節掌面中央にある大陵から近位に2寸)に瀉法を行い、太淵(手関節橈側掌面)に補法を行います。もちろん、症状によっては他の方法もあります。加えて、心兪(第4,5棘突起間の外側)、督兪(第5、6棘突起間の外方)に瀉法を行います。

註・筆者は、背部中央の督脈、その外方の足太陽膀胱経は通常学校で習うものよりも一つずつ上に取ります。

場合によっては、恐れるという感情が強くなることがあります。これについては、次回申し上げます。

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