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治療

アトピー性皮膚炎に関する一考察

アトピー性皮膚炎の根底には、肺虚証があると思います。

肺は皮毛に関係します。皮毛には理がありますが、脾虚になると、その理の開閉がうまく行かなくなります。そのため、発汗作用の不調が起こり、津液が肌肉にたまることになります。

もちろん、ここで脾の働きが不調であることは言うまでもありません。最初に肺虚腎虚証が根底とか来ましたが、これだけではアトピー性皮膚炎は起こりえません。脾虚証がこれにくわわらないとおこらないのです。

脾は、その気を肌肉に送ります。もっと正確に言うと、脾は気と津液を肺に送り、肺が肌肉に気を送ります。同様に津液も送ります。

ところが脾の働きが低下すると、十分な気と津液が肺に送られなくなります。その結果、肺は、皮毛と肌肉に気と津液を十分に送られなくなります。

脾気は陽気ですので熱を持っています。本来なら、理から余分な熱を発汗作用によって排出するのですが、それだけの力が脾気にありません。そのため、気が肌肉にたまり、津液も同じく溜まってしまうことになります。肌肉はかえって熱を帯び、肺虚になると皮毛は荒れますので、肌肉に溜まった津液が外にはみ出し、ジュクジュクになります。

脈を見ると、右関上と左右尺中、あるいは左尺中の虚が出ています。脾虚腎虚ですね。ところがよく観察すると、右寸口にも力がないことがわかります。肺虚です。

脾虚が強ければ、便秘や軟便、腹部膨満などを訴えます。肺虚のほうが強ければ、時には喘息様の病症が現れることもあります。

場合によっては、肝虚が加わるときもあります。肝虚が加わると、関係が通る皮膚が黒ずみ艶がなくなります。疲れやすくなり、不眠が起こります。

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