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按摩・マッサージ師のための治療法講座(10)

これまで取り上げた項目は次の通り(自分自身の備忘録も含めて)。

(1)プロローグ
(2)肩こり
(3)頭痛
(4)カゼ
(5)腰痛
(6)揉むという行為
(7)つわり
(8)五十肩
(9)乳房マッサージ

今回は、めまいについて。

めまいやふらつきというのも、よく遭遇する症状だ。

しかし治せる人は少ない。

この中でメニエル病は按摩やマッサージで治すのは難しい。しかし、メニエルを持っている人に日常的に施術していると、発作を起こしにくくなるし、仮に発作が起きても程度が軽くなる。そのポイントは、側頭骨と頚部である。側頭骨が自由に動くこと(といっても0.何ミリの話だが)、頚部の緊張がないことが重要である。このうち、側頭骨を含めて頭蓋骨の動きについては別稿でいずれ書こうと思う。

良性発作性頭位めまい症は、治す方法がある。エプリー法という。良性発作性頭位めまい症は、半規管に、卵形嚢の中にもともとある耳石が入りこむことが主な原因と考えられる。エプリー法は、この耳石の位置を重力を利用して正しい位置に戻すというものである。

1,座位。
2,仰臥位にさせ、患側を下に45度頸部捻転して頭を下げた状態を取る。浮遊耳石はクプラ(半規管膨大部稜の感覚毛が刺さっているゲル様の部分)から離れていく。めまいが治まったら、数分そのまま保つ。
3,頭を下げた状態のまま反対側に45度に頸部捻転。
4,さらに体全体を90度患側に回転。
5,頭と体の位置関係を保ったまま体を起こす。浮遊耳石は後半規管の外へ出る。
6,座位にさせ、やや頭部を前に、数分そのままの姿位を取らせる。

ただし、この方法は全てのものに効果があるわけではない。

これら以外のめまいやふらつきは、意外と胸鎖乳突筋の緊張によるものが多いようである。胸鎖乳突筋は文字通り乳様突起に付着するが、そこの動きを制限することにより、側頭骨の動き自体を制限させるせいかもしれない。胸鎖乳突筋の索状硬結を探し、それを解消するようにマッサージを加える。それで改善することが多い。

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