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東洋医学

素問・熱論篇と傷寒論

傷寒論がどのような経緯で書かれたのか、中国の専門家は素問・熱論篇と関連するといい、日本の専門家は関係ないという。

臨床的には、やはり熱論篇が影響を与えたと思うが、いかんせん、ここには具体的治療法が書いていない。

傷寒論には、具体的な治療法が詳細且つ簡明に書かれているのでが、いかんせん湯液である。鍼灸でも按摩でもない。

しかし、経脈の流れを考え、経血の性質を知ることにより、傷寒論に書かれた治療法を、鍼灸や按摩に置き換えることができる。

先日の臨床伝統医療研究会レベルアップ鍼灸セミナーで行ったのはその一環であるが、正直完璧なものとは自分自身言うことができない。もっと詳細に研究すれば、先のセミナーで紹介した傷寒論における鍼灸の方法よりもいい鍼灸取穴が見つかるかもしれない。

鍼灸や按摩などが古典にこだわりすぎるのは、現代医学の「正しい」常識とかけ離れてしまいすぎるかもしれない。そこは注意が必要である。しかし、先達の考えを現代に生かすと言うこと、古典をしっかりと読みほぐして今の治療に生かすと言うことは大切である。それこそが中国伝来の伝統医学である。

中国伝統医学は湯液(漢方)だけではない。鍼灸師も、按摩師も古典を読まなさすぎる。

げんき本舗治療院・院長

臨床伝統医療研究会・講師

羽山弘一

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