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東洋医学的な観点からのめまい
(プロ向け)
めまいを訴える方は結構多くいらっしゃいます。
東洋医学的には、肝陽上亢、痰濁中阻、気血両虚、腎精不足が挙げられます。
肝陽上亢は、肝の陰結が不足し、隂が陽を制御していたのにその陰が不足した結果陽が上に昇り(陽は上に昇る性質がある)、頭や顔に陽気が集まってしまいそれがめまいの原因となったもので、肩こり、怒りっぽい、頭痛、目の充血を、舌紅、舌苔薄黃、脈弦を伴っためまいがおきます。
痰濁中阻は、脾の運化作用が失調して、水湿が痰湿に変化し、清陽の上昇を阻むために頭が重く、ふわふわやぐるぐるしためまい、胸苦しい、嘔気が出るもので、舌苔は白膩、脈は滑脈が多いです。
気血両虚は、気と血が不足し、立ち眩み、疲れやすい、ふらつきなどを起こすもので、舌淡、舌苔薄、脈は細が多いです。
腎精不足は、慢性的にふらつき、たちくらみ、耳鳴り、足腰に力が入らない、だるいなどの症状を起こすものです。これは加齢によるものがほとんどで、舌苔は少なく、舌は淡、脈は沈細が多いです。
同じめまいでも、それぞれの病証に対して、適切に取穴することが大切です。
例えば、肝陽上亢なら、太衝、風池、百会、太溪、三陰交などで、肝腎のバランスを取ります。
痰濁中阻なら、脾の補法を中心として、また痰濁を消失させる事を目的として、豊隆、中脘、足三里、陰陵泉、内関などを取ります。
気血両虚なら、気と血を補う目的で、太溪、大淵、中脘、足三里、気海、百会(このときは補法です)などを取ります。
腎精不足なら、腎精を補う目的で、腎兪、命門、中脘、太溪、復溜、百会、足三里、関元または中極などを取ります。
またそれぞれ共通して、翳風、聴宮または聴会はよく用います。



